端征く海蘊(モズク)

デジタル界隈の端を目指して日々漂流する海蘊の記録的なもの

さよなら○○

NewsPicksが出稿した広告のコピー「さよなら、おっさん」がちょっと話題になっている

NewsPicksの「さよなら、おっさん」広告、イキリすぎて真意伝わらず : 市況かぶ全力2階建 NewsPicksの「さよならおっさん」について|望月優大|note

おっさんはネットだと叩かれがちの存在で少しかわいそうだ。
年齢的おっさんの定義であれば片足突っ込みかけているモズクだが、このコピーになんの憤りも感じないので、概念的おっさん化にはまだ至ってないのだと思う。
それよりも「さよなら、おっさん」というコピーからは1ヶ月ほど前に読んだ「さよなら未来」の読後感を思い返した。

さよなら未来

まだ「未来」なんていってんの?
https://sayonaramirai.com/introduction/

日々未来に近づくべく技術を磨いて吸収することで生業を営むモズクにとって、この言葉は衝撃を感じるとともに、別の未来世界を見せてくれる予感に、ワクワクしながら少々分厚いものの2日ほどで読み切った。

本書のタイトルを要約すると、
昭和の経済成長期に描いていた未来像は、科学技術とセットで語られてきた価値観であり、科学技術信仰とも言いかえることができる。現代日本は技術を盲信しているという課題提起からはじまる。
IT技術が全盛期を迎え、革新のスピードも徐々に落ち着きつつある現代において「技術とセットで語られる未来」ではこの先語るビジョンが無いのではないか?ということだと解釈している。

決別したい空気

さよなら、さよなら

今の日本は何とお別れしたいのだろう。
それは戦後とか、バブルの痕跡とか、遅れを取ったIT技術とか、諸国に置いてかれつつあるその他様々なポジションとか・・・。いやポジションまで決別するとただ現実逃避しているだけか。
国会では森友問題を1年論して、これも一種の現実逃避感もある。

話がそれたが、結局のところ決別したいのは現在の普通であり、それは過去が築いてきた価値観だ。 新しい幸せの価値観、富みに対する価値観、個人の多様性を認める価値観など、今までのモノサシで測れないものが噴出している今、信じるものを変え、過去にとらわれず幸せになろうよ・・・ということだと思う。
そうして変えていかなければ、オリンピックの後の嵐模様の予感が耐え難いものになるのだろう。

おっさんに対してはただの煽り文句と思うけれども、なかなか今の日本を読み解いた表現だと思う。

さよなら未来

さよなら未来――エディターズ・クロニクル 2010-2017

さよなら未来――エディターズ・クロニクル 2010-2017